2021年03月26日

卒業学年寄稿印象に残った授業3 オイリュトミードレスについて

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これは6年生の息子のオイリュトミードレスです。

土曜クラスに入ると、こども達が授業で使うものをいくつか手作りします。
持ち物を入れるカバンやクレヨンケース、そして何と言っても一番の大物はオイリュトミードレスと言っても過言ではないでしょう。
決して難しいものではありませんが、扱い慣れないシルクの生地がドレス型に仕上がった時には愛おしく感じました。

そうして作られたドレスを大事にするようにと、オイリュトミーの授業では持ち物をしまう所まで丁寧にこども達に伝えてくれます。
掌で優しくアイロンをかけてまっすぐに伸ばし、オイリュトミーシューズを芯に入れてクルクルと巻くと、片付けの苦手な息子でもアイロンを毎週かけずに済むくらいきれいに保つ事が出来ました。

そんな小さな教えの数々ですが、日々の生活のふとした瞬間に、オイリュトミーで過ごしたひと時がほろりとこぼれでる瞬間があります。

相変わらず片付け下手だけれど、畳み方だけは美しい時。
そして、6年生の息子が背中からふわりと被さる時。
あーこれは、オイリュトミーの優しく包み込むような動き。

時間に換算すれば、シュタイナー教育に身を置く時間はほんのわずかでしたが、心と体を通して五感で学んだ事はいつも止まらずにこどもを守り、内的な成長を育んでくれていると感じています。

2021年03月12日

卒業学年寄稿印象に残った授業2 5年生 クロスステッチ

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5年生の時クロスステッチの授業がありました。図案は先生が準備して下さったみんな同じ模様で糸は4色。それぞれが自分の好きな色を選びました。

現代の子どもたちの日常はまるで大人と同じ様に時間やスピードに追われた生活を送っているかと思います。大人である私でさえ毎日忙しく過ごしていると、手仕事や同じリズムで目的もなく歩く事などが自分の癒しになっていると感じる事があります。

息子は今までクロスステッチの様な黙々と同じルールで針を動かし続ける経験はなかったのですが、とても楽しい時間だった様です。自分のひと針ひと針の積み重ねが形になっていく過程に喜びを感じていました。

出来上がったクロスステッチは今クラスのみんな布バックのポケットに付けています。みんな好きな色がバラバラで個性的で、同じ図案でも違った模様にさえ見えてくるから不思議です。

自分自身を大切に思い、それと共に仲間の個性も尊重出来る、自分と他者との違いさえも大切に思える様な人に、子どもが(そして私も)なれればいいなと思っています。

※授業内容は先生によって異なります。

卒業学年寄稿印象に残った授業1 2年生 編みもの

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2年生のエポック授業では、編み物がありました。子供たち自身で編棒から手作りし、息子にとっては初めての編み物でした。編み方を教わり、白い毛糸で編み進めていきますが、子供たちは何を作っているのか分からなかったそうです。そして、白い四角い布ができ、先生にお渡しして編み物の授業は終わりました。

そして学年末のつどいの日。
その四角い布は、先生がかわいいうさぎにして、クラスのみんなにお渡ししてくださったのです。
『僕たちはみんなで、このかわいいうさぎを作っていたんだと、その時はじめて知ったんだ。まるで先生の魔法のようだったよ。』
6年生になった息子は、大切にしまっているその白いうさぎを見ながら、思い出を語ってくれました。そのうさぎを見るだけでその時の感動や嬉しさ、幸せな瞬間が目の前に甦るようです。この土曜クラスの先生の魔法は、今でもとけていなくて、心の奥の温かなものとして、いつもそこにあるのだと感じます。

※授業内容はクラスによって異なります。